アーセナルは2年連続でプレミアリーグを2位で終え、今季は勝負の年を迎えています。2024-25シーズンは、ペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティを倒し、念願のトロフィーを獲得する大きなチャンスとなるかもしれません。シティは財務規則違反で裁かれる可能性があり、敗訴となれば厳しいペナルティを受ける見込みです。
さらに、チキ・ベギリスタインFDの今季限りでの退任、ロドリの長期離脱、デブライネやカイル・ウォーカーの次なるステップも懸念材料です。ペップ自身も次のキャリアに向けての決断を迫られており、今季が彼の最後のシーズンになる可能性もあります。
アーセナルにとって、このライバルの不安定さはポジティブ要素ですが、自分たちの進化なしにビッグタイトルは手にできません。今夏の移籍市場でカラフィオーリやミケル・メリノ、スターリング、ネトといった選手を獲得した一方、スミス・ロウ、エンケティア、ファビオ・ヴィエイラ、ラムズデールがチームを離れています。果たして、今季のチームは昨季よりも強くなったのでしょうか?
成績比較:昨季 vs 今季
10月のインターナショナルブレイクまでの成績を見ると、プレミアリーグでは5勝2分と昨シーズンと同じ。カラバオカップも3回戦まで進んでいます。チャンピオンズリーグでは、昨季よりも成績が向上しており、PSVに勝利した後、ランスには敗れましたが、アタランタに引き分け、パリに2-0で勝利しています。
公式戦でのゴールと失点を比較すると、昨シーズンは21ゴール8失点、今季は22ゴール7失点とわずかに改善されています。プレミアリーグの成績も2年連続で15ゴール6失点と安定しており、外から見れば「攻守ともに安定している」と言えるでしょう。
チーム状況と今季の課題
しかし、チームの状況は昨季とは大きく異なります。昨季は主力がほぼ健在で、スミス・ロウの調子やカイ・ハヴァ―ツのフィット感が懸念材料でしたが、今季は負傷者が続出しています。ミケル・メリノと冨安健洋は10月まで復帰できず、ウーデゴーアやジンチェンコ、ベン・ホワイトも離脱期間がありました。カラバオカップでは、16歳のGKジャック・ポーターが起用されるなど、怪我人が多く出場機会の限られた選手たちの登場も見られました。
また、今季は対戦相手もタフでした。昨季の序盤戦はエミレーツでのマンチェスター・ユナイテッドやトッテナム戦でしたが、今季はアウェイでアストン・ヴィラ、ノースロンドンダービー、そしてマンチェスター・シティといった強豪との試合が続き、2勝1分は素晴らしい結果です。
今季のスカッドの強化ポイント
今季のアーセナルは、サブメンバーの質が確実に向上しています。前線ではジェズス、スターリング、トロサール、マルティネッリが激しいポジション争いを繰り広げ、中盤にはミケル・メリノが加わり、トーマスやジョルジーニョ、そして成長著しいヌワネリとともに強力な布陣が整っています。最終ラインも、ジンチェンコ、ティンバー、冨安健洋、カラフィオーリと、複数ポジションをこなせる選手たちが揃い、守備力も大幅に向上しています。
また、負傷者も徐々に復帰予定です。サカは大事を取ってギリシャ戦を回避しましたが、リバプール戦には間に合う見込みです。カイ・ハヴァ―ツもドイツ代表を辞退しつつ、リバプール戦に備えています。ベン・ホワイト、ジンチェンコ、ティンバーも早期復帰が期待され、ウーデゴールの復帰は11月になるものの、チーム全体として戦力が整いつつあります。
注目ポイント:デクラン・ライスの覚醒
今季注目すべき選手の一人がデクラン・ライスです。昨シーズン、プレミアリーグで38試合7ゴール8アシストを記録した彼ですが、今季は6試合でまだゴールもアシストもありません。守備的な役割が多いため、攻撃での活躍が控えめになっていますが、イングランド代表では得点を重ね、好調を維持しています。今後、ミケル・メリノとの連携が深まれば、プレミアリーグでも攻撃面での活躍が期待できるでしょう。
今後、ボーンマス戦の後にはリバプール、ニューカッスル、チェルシーといった強豪との対戦が控えており、アーセナルが進化したチームとして真価を発揮する瞬間が近づいています。
また今季のアーセナルは17歳の期待の神童、ヌワネリの活躍も見逃せません。